誰もが持つ「心」ですが、どれだけ想っていても言葉にしなければ伝わらないことがある、という当たり前を教えてくれるのが、「テガミバチ」です。
「テガミバチ」は主人公が手紙を届けていく物語なのですが、浅田弘幸先生が描く美麗な作画によって暖かさが視覚からも得られるような作品です。
この記事では「テガミバチ」のあらすじや魅力を解説し、「テガミバチ」に似ている漫画を5選ご紹介します。
テガミバチに似た漫画
ARIA 天野こずえ(完結、全12巻)
人が住めるようにテラフォーミングされた火星で、水先案内人をしている主人公が周りの人たちと暖かな日々を過ごす物語です。
現実世界とは全く違う世界観であることや、日常のなんてことのない瞬間を大切に思えるところが似ている作品です。
フルーツバスケット 高屋奈月(完結、全23巻)
異性に抱きつかれると十二支と猫の獣に変身してしまう物憑きが、主人公の本田 透(ほんだ とおる)と出会って前に進む作品です。
時に苦しいくらい共感してしまうキャラクターの葛藤があるものの、最後には前向きになれます。
物憑きである草摩家の人々はそれぞれに深い心の傷を負い、登場当初は捻くれてしまっている人も多いです。
しかしその心の傷は物憑きであるから特別なものではなく、現実世界に生きる人たちにも通ずるものがあります。
物語の中でキャラクターたちは周囲の人たちから支えられ、紆余曲折をしながら成長していきます。
そしてキャラクターたちが選ぶ道は突然出てきたものではなく、そう考える理由が物語の中で積み上がっている、それがフルーツバスケットの魅力です。
D.Gray-man 作者(未完、既刊28巻)
魂を利用されたAKUMAは人類の敵となりますが、主人公のアレン・ウォーカーは魂が見えることからAKUMAの魂に寄り添います。
利用されている魂の描写や組織の規律、宗教など、様々な要素の中で苦しみながらも自分の想いを突き通すアレンの姿は、苦しくも尊敬できます。
鬼滅の刃 吾峠呼世晴(完結、全23巻)
主人公である炭治郎は5人兄弟の長男で、面倒見が良く、心優しい努力家です。
人を殺すという行為に対しては怒りを持つ炭治郎ですが、鬼にも鬼になる以前の人間だった頃があり、世の中の理不尽に飲まれた結果、鬼になってしまいます。
鬼となってしまった妹を人間に戻すために主人公である竈門炭治郎が鬼に立ち向かっていくのですが、垣間見える鬼の想いや過去には心が揺さぶられます。
家族を殺した鬼に対してもその優しさは発揮され、命が尽きて灰になっていく鬼の手を取り悲しむ描写まであり、鬼も最後に炭治郎の優しさに触れて救われ、涙を流します。
ただ幸せに生きたかった鬼の心に寄り添い、人間だった頃の本質が炭治郎によって思い出される描写は、心にぐっとくるところが鬼滅の刃の魅力です。
また、鬼だけでなく戦う隊員たちの想いも繊細に描写されているため、読了後には心が暖まるのと同時に、前向きにもなれる作品です。
BEASTARS 板垣巴留(完結、全22巻)
動物が擬人化されている作品であるため好みが分かれますが、肉食獣の狼であるレゴシは草食獣のウサギであるハルに惹かれ、世界の歪みに巻き込まれていきます。
捕食者と被食者という関係は人間にあまり馴染みがありませんが、擬人化されて理性を得ていても漂う心の隔たりは現実に通ずるものがあります。
テガミバチのあらすじ
テガミバチの世界では国の中心に人工太陽が打ち上げられ、明るい場所に貴族が、暗いところに平民が住む階級社会です。
そんな世界で主人公であるラグ・シーイングは手紙を届ける「テガミバチ」として、各地の人々に心を届ける仕事をしています。
様々な思惑の中で心を届ける仕事に誇りを持つラグは、仲間と共に心を届けます。
テガミバチの魅力:テガミとは心を届ける仕事
物語の中でラグは手紙に自分の心である心弾を打ち込み、込められた想いを可視化できる能力を駆使して本当の気持ちを届けます。
テガミの文面に書かれている言葉は一言であっても、そこに込められた想いは計り知れないもので、キャラクターたちのエピソードには共感できる部分が多々あります。
ただ届けるだけでない物語に、読了後は大切な人に手紙を送りたくなるような暖かい作品です。
まとめ
心の物語である「テガミバチ」は、便利になった今の世の中だからこそおすすめする作品です。
また心が暖まることはもちろんのこと、不思議な世界観やスチームパンク風の戦闘シーンも魅力といえます。
心温まる物語を探している方は、ぜひご覧になってみてください。