連載が開始されてから数々の賞を受賞している「3月のライオン」は、柔らかなタッチの作画と人間関係の深さが強く印象に残る作品です。
メインの題材は将棋ではありますが難しい用語などは説明がありますので、知識がない方も十分に理解して楽しむことができます。
数々の賞を受賞し、多数のメディアミックスが行われている「3月のライオン」のあらすじや魅力を解説し、「3月のライオン」に似た作品を5選ご紹介します。
3月のライオンに似た漫画
ハチミツとクローバー 羽海野チカ(完結、全10巻)
作者である羽海野チカ先生が「3月のライオン」よりも前に描いていた作品で、絵のタッチや物語の根底にある物が似ている作品です。
大学生の主人公たちが時に思い悩んだり、学生特有のテンションになったり、恋愛に不器用だったりと、「3月のライオン」とはまた違った心理描写が魅力です。
りゅうおうのおしごと! 白鳥士郎(原作)、こげたおこげ(作画)(完結、全10巻)
新人賞を受賞したライトノベルが原作で、凄腕の棋士である主人公のもとに幼い少女が弟子入りし、師弟でお互いに影響を与えながら将棋の腕を磨いていきます。
連載当初は主人公の経歴が凄すぎて批判もありましたが、実在する棋士である藤井聡太棋士が主人公を超えたことで話題になった作品です。

それでも歩は寄せてくる 山本崇一朗(未完、既刊14巻)
からかい上手の高木さんの作者である山本崇一朗先生が描く、将棋と恋愛のバランスが良い作品です。
将棋初心者の後輩が経験者である先輩に勝てば告白をするという目標を立てているため、両片思いでありながらも進まない関係にドキドキします。
フルーツバスケット 高屋奈月(完結、全23巻)
繊細な心理描写と、時に心を刺すような言葉が魅力的な作品です。
作中では獣に憑かれたキャラクターたちが思い悩む姿が中心に描かれていますが、現実世界にも通ずる悩みは連載終了後も作品が根強い人気を誇る要因の1つとなっています。
物憑きである草摩家の人々はそれぞれに深い心の傷を負い、登場当初は捻くれてしまっている人も多いです。
しかしその心の傷は物憑きであるから特別なものではなく、現実世界に生きる人たちにも通ずるものがあります。
物語の中でキャラクターたちは周囲の人たちから支えられ、紆余曲折をしながら成長していきます。
そしてキャラクターたちが選ぶ道は突然出てきたものではなく、そう考える理由が物語の中で積み上がっている、それがフルーツバスケットの魅力です。
甘々と稲妻 雨隠ギド(完結、全12巻)
一人娘を育てているが料理ができない父親と、料理ができても一緒に食べる人がいない女子高生が一緒に料理を作って心を通わせる作品です。
当たり前のように思える暖かな食事と誰かと食べる食卓が、どれだけ大切で尊いものなのかと再認識します。
3月のライオンのあらすじ
中学生でプロ棋士になった主人公、桐山零(きりやま れい)は、養子として引き取られた家での居場所を失い、一人上京して将棋だけに打ち込みます。
しかし将棋盤に向かうだけに見える将棋ですが、一戦一戦は苛烈なもので、零は疲弊していきます。
疲弊した零を暖かく迎えたのは近所で和菓子屋を営む3姉妹で、居場所を見つけた零は再び険しい将棋の世界と向き合います。
3月のライオンの魅力:柔らかな作画で鋭利な心理描写
まず漫画の表紙を見ると柔らかな作画が目を引き、本編中も柔らかいタッチの絵柄が続くため、ほんわかとした作品かと思われます。
しかし本編で描かれる物語は心が暖かくなる部分ももちろんありますが、人間関係を続けていくと柔らかな部分だけではありません。
「3月のライオン」では時に刺さるような心理描写があり、高く評価されると同時に人によっては刺さりすぎて辛く感じるほどで、魅力だといえます。
まとめ
時に苦しくなるような描写が魅力である「3月のライオン」は、最後には前を向く力をくれる作品です。
人間関係に疲れた方は、「3月のライオン」を読んでみてはいかがでしょうか。